JBA JOURNAL

2019 Summer

この記事は 2019 年 8 月発行の「 JBA JOURNAL 」に掲載されたものです。内容及びプロフィール 等は掲載当時の情報となります。

目の前の仕事をやり切ることで、
新しい世界が見えてくる。

金子好宏氏Yoshihiro Kaneko 株式会社ブリッジ・シー・キャピタル
取締役副社長 公認会計士

2000 年、中央青山監査法人(現あらた監査法人)入所、金融機関を中心とした監査業務、内部統制構築業務に従事。2005 年、PwCアドバイザリー合同会社に異動後、10 年にわたりM&A、事業再生関連業務を中心とした各種コンサルティング業務に携わる。2016 年、ブリッジ・シー・キャピタルに参画し、取締役に就任。富裕層向けAM事業の責任者として、不動産から金融商品に至るまで100 億円超の資産運用を担当。慶應義塾大学商学部卒。

与えられた仕事に腰を据えて取り組む

―ご経歴を教えてください。

会計士試験に合格し、実務経験を積めればと思い、監査法人に入所しました。監査業務を5年間続けた後、内部のアドバイザリー部門に異動。M&Aや事業再生などのトランザクションサービス部門におよそ10年携わりました。当時、M&Aは比較的激務でその分力もつくと周りから聞いていたので、なるべく厳しいところに身をおいて、新しい分野にチャレンジしてみようと思いました。
私の場合、将来を見据えて戦略的に動くというよりも、腰を据えて与えられた仕事にしっかりと取り組むことを意識してきました。5年間の監査業務を通じて会計やビジネスの基本を理解し、そこで鍛えられた足腰を土台として同系列のアドバイザリー部門で、企業買収や事業再生といった生のビジネの最前線を体験しました。どう動くかわからない世界、比較的短期間でクローズしなければならない世界に移り、交渉まで含めたアドバイスをしていく中で、ビジネスのダイナミズムとそれに伴う緊張感を肌身で感じることができたのは貴重な体験でした。最初の5~6年は極めて激務でしたが、そこで得たものは大きかったと思います。10年で大小合わせて200件近い案件に携わりましたが、携帯電話会社の買収や百貨店の合併、大手電機会社の再生など、新聞の一面を賑わすような仕事が年に1回はあり、そういうときはやはり喜びや達成感を感じました。
監査とコンサルティングと合わせて15年間在籍しましたが、200人近くいた同期のうち、15年後残っていたのは一桁でした。長くいたからこそ、わき見をせず、一つのことに集中した結果、相応しいタイミングで自然と転機が訪れたというのが実感です。
少しゆっくりする時間が必要だと感じ、子供が生まれたのを契機に退職しましたが、手伝ってくれという話から仕事が発生し、会計士として事務所をかまえて独立することに。同業者のネットワークで仕事に困ることなく、ワークライフバランスもいちばんいい時期でした。
独立して2年経った頃、株式会社ブリッジ・シー・キャピタルの創業者からお声がけいただき、CFO兼COOのような形でブリッジ・シー・キャピタルに参画し、内部統制なども整えつつ、アセットマネジメント(AM)事業の責任者として100億円を超える資産運用を担当しています。

―ご経験とは異なる道に入られた。

チャレンジ半分、経験が活かせること半分という形でした。クライアントとのリレーションシップ(お客様のニーズをつねに意識する力、それをやり切ること)はアドバイザリー時代に身についたものでした。半分は相続税や不動産など未経験の分野へのチャレンジでした。自分が経験していない知見は、日々勉強でキャッチアップしながら、今に至っています。
未経験の分野へのチャレンジや現在のフロント業務にも、これまで自分事として目の前の仕事に懸命にあたってきたことが、役立っていると感じています。

新しいサービスをつくり出し社会の役に立つ

―今のお仕事の面白みは?

バックオフィス、フロント問わず、チーム一丸となって、今までにない新しい商品やサービスをつくりだし、世の中に提供していくことができるのが一番の楽しみです。
もう一つは、つくり出した商品やサービスを通じて、社会の抱える問題点を解決する一つの道筋を示せることです。例えば、高齢化社会、共働きが当たり前となった社会では、老人ホームや病院、保育園といった社会に必要な資産が十分に供給できないという状況があります。日本の銀行を通した間接金融の中では、お金がスムーズに回らなくなっています。投資に対する考え方が日本でもやっと醸成されてきている一方で、個人資産として900兆円が眠っています。一般的に不動産はまとまったお金が必要なので、個人向けの投資商品としては垣根が高いと考えられてきました。しかし、ボラティリティは株や投資信託、FX等のほうがはるかに高く、これらに比べて実は不動産は低リスクです。
そこで我々は、インターネットで1口1万円から投資できるクラウドファンディングのサイトを2018年11月にオープン。わずか7カ月で15億円を超える資金が集まっており、不動産特定共同事業法(通称・不特法)を用いたクラウドファンディングとしては今、業界ナンバーワンの運用資産となりました。
ネットでお金の巡りをよくして、社会の抱える問題解決の一端を担いながら、出資していただいた方にはリターンも受け取っていただく。そうした好循環をつくりあげていくのが今の仕事の大きな魅力だと思います。

目の前にあることをまずは楽しんでみる

―これから求められる人財像は?

まずは何でも楽しめることが重要だと思います。キャリアアップに役立つかとか、給料はいくらかといった条件を考える前に、今目の前にあることを楽しんでみよう、全力でやってみようというマインドセットのある人。何事も前向きに受け取り、環境のせいにすることなくやっていける人が求められていると思います。
例えば会計士であればどこの世界でも輝けるスキルがあるのだから、細かな仕事はえり好みせず朝飯前に片づけていかなければ、その先にある面白い世界は舞い込んでこないのではないでしょうか。
将来を考えることも重要だと思いますが、会計士という資格を持っている時点でやりがいのある仕事が目の前にあって、それを一生懸命にやっていけばより広がりのある世界が見えてくるのではないでしょうか。

―本日はありがとうございました。

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