JBA JOURNAL

2020 Spring

この記事は2020年6月発行の「JBA JOURNAL」に掲載されたものです。内容及びプロフィール等は掲載当時の情報となります。

新しい価値を創り出し、
世の中に広め、
スタンダードにしたい。

谷口晋也氏Shinya Taniguchi 株式会社シンフィールド
代表取締役

1981年生まれ。福岡県直方市出身。2006年シンフィールド設立。インターネット広告代理店での経験を活かし、2009年よりマンガマーケティングⓇ事業を開始。

既成概念を壊す

―マンガマーケティングⓇを始められたきっかけは。

前職のインターネット広告の代理店の時に、バナー広告にマンガを使っていたクライアントのクリック率が高かったため集客のツールになるのではと考えました。そこでマンガとWebマーケティングを融合させたサービスが成り立つのではないかと思ったのです。考えてみるとマンガなら難解な内容でもつい手に取ってみたくなる。マンガにはストーリーがあり、わかりやすく共感を生みやすいという特性があります。今まで見てもらえなかった人にも見てもらえる可能性が高く、マーケティングツールとして有効だと考え、マンガマーケティングⓇ事業を立ち上げ、現在に至っています。

―いちばんのご苦労は?

今までになかったものを創り出して認めてもらうことが、いちばん大変でした。最初はマンガを広告に使うという文化が根付いていなかったため、それを受け入れてもらうのが大きなハードルでした。インターネット上のコンテンツやWebマーケティングにマンガを使うという発想が当時はなかったのです。1年ほど続けるうちに、大手飲料メーカーの女性向け健康食品に取り入れられたのが評価される実績となり、BtoC中心にサービスを広げることができました。

―BtoBのお仕事は?

当初はマンガは娯楽としてのイメージが強く受け入れてもらえなかったのですが、最近は状況が変わってきました。結局見るのは人ですから、BtoBのWebマーケティングが盛んになるにつれ、「わかりやすさ」を考慮してマンガにするケースが非常に増えています。BtoBの場合、目的をもって企業のHPに入ってくる人が多く、ニーズが顕在化されているためマンガ化により理解が深まり成果につながりやすくなります。

マンガの内容から集客方法までも提案

―御社の強みは?

強みは3つあると思っています。1つはマンガクリエイティブをつくるだけでなく集客、マーケティングまでカバーできる点。デジタルマーケティング、マンガ家インフルエンサーの活用、提携マンガアプリからの送客などもご提案が可能です。また新卒採用支援であるジョブマンガでは、全国の大学1000キャンパス以上にマンガ冊子を配布できます。これができるのは世界でも弊社だけだと思います。
2つ目はマンガの内製化により制作期間が短縮でき、柔軟な対応が可能な点。3つ目は有名なマンガとのタイアップ支援です。長年の実績から大手出版社や多くのIPホルダーとのつながりを作ってきました。そのため様々な作品と企業のコラボレーションを企画から支援することができます。

―高知県にマンガの制作拠点を置か れていますね。

高知県は人口当たりのマンガ家輩出率が日本一で、やなせたかし先生や西原理恵子先生など高名なマンガ家を輩出し「まんが王国・土佐」と称して、「まんが甲子園」などのイベントを続けています。そうした県であれば事業として親和性があると考えました。海外でのマンガ制作も検討しましたが、制作拠点を作るなら国内でマンガで生活したい人を採用しマンガ家としての働き方を提供して雇用を創出したいとも考えました。
またこれは私たちの働き方改革の一環でもあります。登録マンガ家さんに依頼していたときは、大きなディレクションコストがかかっていました。マンガ家さんに連絡がつかなかったり、修正の回数が増えると様々な問題が発生したりして、長時間勤務せざるを得ない状況にありました。内製化によってその負担を減らし、社員に働きやすい環境を整え、制作時間の短縮でクライアントへよりよいサービスを提供できるようになりました。結果的には一部内製化によりクライアントからの依頼が増え、登録マンガ家さんへの発注総額を増やすことができました。

―やりがいを感じるのは?

クライアントの訴求したいターゲットへ情報が伝わり売上アップや問い合わせが増える等、成果が出たときです。誰もが知っている人気マンガと企業タイアップをプロデュースして、結果SNS上で拡散し、クライアントに非常に喜んでもらえた案件もありました。そんなときは凄く嬉しいですね。
コンバージョンレートの上昇で言えば、BtoB系のコンサルティング会社で資料請求が今までの4倍になったケースがあります。ただし、必ずしも数字が上がればいいというわけではありません。確度は低くても顧客との接点を増やしたい場合もあれば、そのサービスのニーズが高いユーザーだけを獲得しなければならない場合もあります。クライアントの状況や希望に応じて、マンガの内容や集客方法の提案は変えています。そこまで行うから、"マンガマーケティングⓇ"なのです。

―これからの目標は?

3つあります。1つは、ビジョンの実現です。私たちは「当たり前を創り出す」というビジョンを掲げています。私は一企業が生み出したサービスや商品が世の中の当たり前になることは非常に価値があると思っています。当たり前にするには社会に必要とされ多くの人の役に立つものではなければなりません。広告やプロモーションをするとなった際にマーケティングツールとしてマンガという選択肢が当然のように検討されるようにしたいと思っています。今、書店では「マンガでわかる」シリーズがたくさん並び、マンガのわかりやすさや必要性は浸透してきているように思います。
2つ目は日本の課題の解決です。マンガは日本の文化として世界に浸透し多くの支持を集めています。そうした日本文化が少子高齢化で描き手が減り衰退の恐れがあると思っています。中国や韓国の台頭で、マンガと言えば日本というイメージが変わる可能性もあります。マンガマーケティングの市場を創り出し、昼はマンガクリエイティブの制作、夜は自分の作品を描く環境を提供することで、マンガで生活できる人が増え日本の文化の発展に貢献できると思っています。
3つ目はSDGsの推進です。私たちは自社の売上や利益の追求ではなく社会や多くの人から必要とされる存在になりたいと思っています。そのため今、できる持続可能な目標を定め、社会に貢献できるように取り組んでいきたいと思っています。

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