トピックス

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2022 June

この記事は2022年2月開催の「JBAオンラインイベント2022」の模様を「JBA JOURNAL」用に編集したものです。内容及びプロフィール等は開催当時の情報となります。

【キャリアトーク】公認会計士転職のいま!
~コンサル・独立・事業会社〜
公認会計士転職のいまを探る対談企画(後編)

JBA Online Event

玉虫智行氏Tomoyuki Tamamushi

株式会社VRPパートナーズ ディレクター
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大学卒業後、管理部門職種に特化した人材紹介会社へ入社。中長期にわたる候補者のキャリアプラン形成の相談を得意とし、転職支援時に限らず長期的にお付き合いしている候補者が大半。人材サイド・企業サイド両面からのアプローチによるマッチング精度の高さは、数多くの顧客から定評を頂いている。


中津留弘騎Hiroki Nakatsuru

JBAHRソリューション株式会社 マネージャー
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大学卒業後、USCPAやCIA等の国際資格を扱う専門校で社会人のスキル・キャリアアップ支援に従事。その後フリーランスを経て2015年に現職へ参画。会計領域を軸に監査法人や税理士法人、コンサル、管理部門への転職支援に従事。


聞き手:織茂敬俊、ジャパンビジネス・アシュアランス株式会社 ディレクター

独立系会計コンサルティング会社の求人を数多く手掛ける株式会社VRPパートナーズの玉虫智行氏と大手コンサルティング会社から事業会社などの求人を幅広く取り扱うJBA HRソリューション株式会社の中津留弘騎をゲストに迎え、公認会計士の転職市況や転職活動状況など、「公認会計士転職のいま」を対談形式で深堀。 今回は、ライブコメントに寄せられた視聴者からの質問にお答えする、Q&Aセッションの模様をお伝えします。

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Q&Aセッション――転職エージェントにここが聞きたい!


Q1▼平均的な転職活動の期間と訪問会社数は?

-玉虫  それぞれではありますが、あえて平均すれば応募活動を始めてから内定承諾に至るまで1カ月から1カ月半ほどでしょうか。応募活動の前の情報収集も含めると、最近は半年から1年かけている方も多いように思います。 以前は転職を決意してから相談に来られる方が多かったので、一カ月半から二カ月で決まっていましたが、転職が気軽になったためか「まずは相談」という人が多い傾向にあり、情報活動を含めると長くなっているように感じます。 訪問会社数は、私の担当で言えば3~4社が平均でしょうか。最初に方向性を決めてご支援することが多いので、それほど多くはないと思います。

-織茂  リモート面接になって、訪問会社数は増加傾向にありますか?

-玉虫  それはあるかもしれません。カジュアル面談等も含めると、先ほどの1.2倍程度、多くなる傾向はあるかもしれません。

-中津留  大手コンサルティングファーム系を志向している方は、平均4~5社受けているという印象です。コンサルティングファームは常時募集しており、ポジションがクローズすることがないので多くなりがちなのかもしれません。 事業会社に関しては、そもそも求人数が少ないので、スポット的に1社しか受けられない人もいれば、3社から5社という方が多いように思います。 受ける前にある程度、軸を決めて、絞ったうえで応募する人が多いので、応募する会社の数はそれほど多くにはなりません。

-玉虫  逆に軸が決まっていない方は、それ相応の進め方があって、幅広く受けるケースもあります。ウェブがかなり使えるので、かなりの数を受ける人も中にはいらっしゃいますね。

Q2▼転職エージェントとして、会計士の転職活動の正解手順のようなものが見えていたら教えて下さい。

-玉虫  転職活動は個別性が非常に強いので、極論すれば一人ひとりすべて異なってきます。先に指向性を決めて、集中して受けるのが効率性はいいと思いますが、そうした方ばかりではありません。 転職のきっかけは「監査はもういい」であっても、転職をきっかけに何をしたいかを踏み込んで決めていない方もたくさんいらっしゃいます。そうしたときは、前述のように間口を広く同時進行で転職活動を進めていくことになります。工数もパワーもかかりますが、面接にいって初めてわかることもあります。その中でご自身のターゲットを絞り込んでいくのも一法です。多様なパターンがあるので、正解はこれだ!とお伝えするのは難しいと思います。

Q3▼数社受けるにしても本命があって、その前にここを受けてみたらというのはあるのですか。

-玉虫  そうしたことを行うエージェントもいるようですが、個人的には求人企業も求職者も両方大事にしたいので、お互いにとって有益な時間をつくってほしいと思っていますから、積極的には奨めることはありません。 ただし、それは求職者の方の自由です。場慣れもありますから、私が転職活動するなら、こっそりとやってしまうかもしれませんね。

Q4▼デジタル、ITシフトが進んでいますが、企業が会計士に求めるITスキルに変化はありますか。

-中津留  最近のDXのトレンドという観点では、これまで新人が行っていたような入力や仕訳などの作業は、どんどんRPAや自動仕訳に移行しています。経理の人材は減ってくるのではと思う一方で、経営に対してどれだけ有益な数字をレポートできるかという経理部のあるべき姿については、コンサルティングファームなどでもしばしば耳にします。 自動化された数字が上がってきますからドリルダウンが難しくなると思いますが、数字の裏側を読み解く力はすでにお持ちだと思います。 一方で、システムの導入などによって「何ができるのか」という感覚を持つことが大事だと思います。そうした感覚は、監査を通じてさまざまな会社の経理システムを広く知ることで蓄えていけると思います。プログラミングの技術までは、まだまだ必要とされてはいないのかなと思います。

-織茂  弊社でIPOを目指す会社を支援しているケースがあります。ベンチャーなので、これから経理のプロセスをつくっていこうという段階の会社もあります。そうすると、最近はすべてクラウドですが、会計システムから始まって、ITを使ってフロントの情報をどうつなげば効率的かというところで、SaaS(Software as a Service;アプリケーションをインターネット経由で利用するクラウドサービス)の知識などはこれから求められていくと感じています。 特に業務の効率化やバックオフィスのプロセス構築の部分では、会計システムを含めた会社全体の情報をどう集めていくかというところで、ITの知識・技術は必須になってくるかなと私は思っています。

Q5▼ジョブ型による会計士転職への影響はどうでしょうか。

-中津留  まだまだ一般的ではないと思いますが、大手メーカーなどでは高度専門職という制度作り、その枠組みで会計士や税理士の方が活躍しているという話は伺っています。 そうした方は基本的にローテーションもなく、税務であれば例えば国際税務のスペシャリストとして活躍していくし、スペシャリストとしてのキャリアパスがある、という会社も少しずつ出てきた印象です。

-織茂  独立系のコンサルの場合は、ほとんどジョブ型採用ですかね。

-玉虫  もともと職種で募集されますから、ジョブ型という言葉はあえて使わなくても、そう言えるでしょうか。

Q6▼転職エージェント会社の選び方を教えてください。転職エージェントは複数登録すべきでしょうか。

-玉虫  私は複数登録をお薦めしています。エージェントごとに抱えている企業が異なりますから、機会損失を起こさないよう幅広く網をはった方がいい。あまり多すぎてもコントロールができなくなりますから、2~3社登録するのがいいと思います。 仕事としては弊社だけに登録してもらうのがいいのかもしれませんが、1人のエージェントからの情報では、どうしても偏りがでてきます。人によって情報の質や量は異なってくるので、セカンドオピニオン的な使い方もありですし、エージェントは複数活用したほうが絶対にいいと思います。

-中津留  私も複数社使ったほうがいいと思っています。エージェントを使っていただく(私に相談していただく)最大のポイントは、ご自身のキャリアについて一緒に考えていくことです。客観的にご自身のキャリアを棚卸し、次のキャリアをどうするかの相談相手として使っていただくのが、自分の最大の役割だと思っています。 本人の抱くキャリアパスに対して、弊社で求人提案できないケースもありますので、そうしたとき他のエージェントなども活用していただきながら、その方にあった求人を見つけていくことが必要だと思います。

Q7▼転職者の年齢層に変化はあるでしょうか。一般には35歳までと言われていますが。

-玉虫  変化があると思います。以前は確かに30歳半ばまでというのが多かったですが、応募要件のハードルが徐々に下がってきて、年齢も幅広く見ていただけるというのは確実にあると思います。

-織茂  35歳限界説はなくなったということでしょうか。40歳でも求人はあるし、年齢はあまり気にしなくてもいい?

-中津留  事業会社はちょっと厳しいかもしれません。ポジションと年齢のバランスがずれてしまうと、難しいケースはあると思います。

-織茂  そろそろお時間となりました。本日はありがとうございました。

-玉虫・中津留  ありがとうございました。