トピックス

トピックス
2015 Autumn

この記事は2015年11月発行の「JBA JOURNAL」に掲載されたものです。内容及びプロフィール等は掲載当時の情報となります

点と点が繋がりあったとき、
成長の余白が見えてくる。

小島鉄平氏

小島鉄平氏Teppei Kojima

株式会社スカイロボット
事業部部長

1976年、京都生まれ。米国アリゾナ州立大学(ツーソン市)機械工学部卒業。Iwata Bolt USA Inc.、株式会社Lejacks Holdings経営企画部業務管理課課長、FunzGroove株式会社(現:INSOU西日本株式会社)経営戦略部部長等を経て、株式会社スカイロボット事業部部長。

知識と経験を活かしながらのキャリアアップ

―ご経歴を教えてください。

高校卒業後アメリカにわたり、アリゾナ州立大学(ツーソン市)で宇宙機械工学を学びました。学費が安くエンジニア分野で有名でした。天文学、人類学、心理学、宇宙関連の専攻が盛んで、幅広い自分の興味に沿っていると思って決めました。
卒業後は、自動車メーカーをメインに精密機器メーカーなどへボルトを供給しているIwata Bolt USA Inc. に入社しました。工場で品質管理を経験した後、営業所で販売業務構築を経験しました。企画の仕事にも興味を持ち始め、視点が仕組みづくりに広がっていきました。入社3年後、グリーンカードを申請するか否かの二者択一を迫られ、米国時代の友人の紹介で日本での就職を決めました。
2社目の株式会社レジャックスホールディングスでは経営企画部に配属されました。飲食を運営している会社で一貫して経営企画の仕事を行ってきました。管理会計業務、既存事業の戦略策定に従事し、課長に昇進してからはマネジメント業務も経験しました。その後、事業会社に出向し、経営企画部長として部下の人たちと共に現場の問題点の作業レベルでの解決に約5年間取り組みました。

―若くして管理職を経験されましたね。

元気な会社で、若い人間をどんどん抜擢してくれました。みんなでやっていこうというのが私のスタンスでした。部下の人たちは、私よりも役職は下でも、経験は豊富で問題解決の引き出しもたくさん持っています。部下の人たちの得意な部分と仕事を結びつけるのが私の役割でした。経営計画の立案、経営分析・財務分析業務、マネジメント業務に4年間あたりました。

―その後、スカイロボットと出会われる。

タイミングがよかったですね。それまであまり転職は考えてなくて、心境の変化と出会ったタイミングが凄かった。社名を聞いたときからドキリとしました。視点の面白さに強く惹かれ、ビジョンに共感しました。スカイロボットは、消防や橋げたや高圧電線などの現場で、人に代わって危険な作業を行います。そうした経緯で社名がついたと聞きました。他人の役に立って、以前から興味のあったロボットに携われて、事業や組織をつくりあげるという経験を活かせるとなれば、自分としては願ったり、叶ったりでした。アイデアを形にしていくパワーは、凄いと思います。

―転職されてよかったことはなんでしょうか。

今までの経験を集約して発揮できる場をいただけたことです。もともと私が米国にわたったのは音楽への興味からでした。そうしたプライベートでの興味や経験も含めて一つ一つの点が、すべて今に繋がっていると強く感じています。異なる業界に転職した場合、それまでの経験がすべて活かせるものではありません。経理や人事とは異なり、事業となるとなおさらです。自分のキャリアの確認ができて、これから成長する余白がまだ見つけられるのではないかと期待しています。10年経験した会社では余裕はありましたが、余白は見つけられなかった。私はまだ若いので、もっと成長しなければならないと思っていました。それが見つけられたのが転職して一番よかった部分です。

―どういう部分に成長の余白を感じられましたか。

当面は国内にたくさんの余白がありますが、いずれは海外展開の足掛かりをつくれればと思っています。そうすれば米国での経験も役立てることができます。

―ご自身の経験で強みと感じられるものは?

経営企画を単なる計画で終わらせるのではなく、曖昧なものを具体化していく部分にあると思います。実際に行動を超えて、動作にまで落とし込むところまで経験があるということです。問題はつねに現場で発生します。知識と現場を繋いでいけることでしょうか。

会計を言語の一つとして身につける

―資格もたくさんお持ちですね。

最初の会社で工場の業務効率化などを経験しているとき、初めて管理会計に触れました。会計の必要性を実感し、日本の簿記の教科書を買って独学で勉強しました。日本に帰ってから簿記2級を取得しましたが、最初は数字といえば給料明細くらいしか見ていませんでしたから、大変でした(笑)。
新しいことに向き合った時、そこに飛び込んでいって必要なものを探す癖がついていました。そして、自分に何が足りないかが見えたら、必死で勉強して取り入れてきました。英語も会計もITも、ずっとその繰り返しです。よく言えば吸収してですが、必要に迫られて追いかけられるようにやってきました。

――キャリアアップを考えている方々へのアドバイスをお願いします。

価値というボンヤリとしたものを、人と人のやりとりを、数値という目に見えるものにした会計は、すごいと思いますし、面白いです。それを英語と同じような共通言語として、身につけていけば大きな武器になると思います。会計は、英語や日本語と同じような一つの言語です。それを多くの方々に勉強していただければ、必ずやキャリアにつながると思います。最初は一点だけ、売上だけを考える、次に費用を考える。最初から全部やろうとせず、自分の仕事と結びつけながら勉強していけば、きっと楽しいと思います。